防犯カメラは
セキュリティの
スタンダード
防犯カメラが付いている家。
ひと昔前でしたら、それは著名人や高所得者が住む高級住宅街で見かけられるくらいのもので、
決して一般的なものとは言えませんでした。
しかし現在は違います。
需要の高まりと共に普及が広がり、
カメラや録画機といった機器も低価格帯から選べるようになりました。
2026年時点において、マンション・アパートなどの防犯カメラの普及率は
集合住宅全体で約60%に達しているとのデータもあります。
一般的な戸建て住宅の場合ですと、普及率は下がるものの
住宅購入後に「対策をした・したい」と考えている人は85%に上ります。
(団体防犯建物部品普及促進協議会 2025年2月27日プレスリリースによる)
普及が進む背景
今では、防犯カメラの設置は住宅の防犯対策の中でも代表的な選択肢となりました。
普及が進む背景としましては、製品ラインナップが充実し、導入コストが一般価格化したことが第一に挙げられます。
有名なオンラインECショップを覗いてみても、安価な物では数千円代から選べます。これがもしも数十万円、数百万円の価格帯からでしか選ぶことができなかったら、一般家庭での導入はやはり難しいものだったでしょう。
そして、防犯対策への意識が高まったことも大きな理由と言えます。2025年頃から、強盗事件が続発。昼夜問わず複数人のメンバーで住宅に押し入り、住人に暴行を加えて金品を奪い取るといった凶悪な手口によるもので、被害者が亡くなられてしまった最悪の強盗致死事件も発生し、世間を震撼させました。
高齢者宅がターゲットとして狙われやすいというのも犯行の特徴となっています。
また、各市町村など各自治体が防犯対策補助事業として設置費用の助成を行うケースが増えたことも、導入への後押しとなっています。
これも強盗事件の続発など、ホームセキュリティへの取り組みがより重要なものとなったことが実施背景にあげられます。
でもやっぱり
導入のハードルは高い?
防犯カメラの導入がしやすくなったとはいえ、「防犯砂利」や「窓格子」など他の防犯対策の設置と比べると、やはり一段ハードルが高くなる印象があります。
防犯カメラの場合は設置場所の選定、壁への設置工事、配線作業、室内側でも録画機とモニター接続と設定などが必要になりますし、場合によっては電気工事を要することもあります。
また、カメラも箱型・ドーム型や赤外線タイプなどの種類があり、給電方式や記録方式もいくつのタイプがあります。「SDI」「AHD」「PoE」など見慣れない単語も並んでいますので、自分の家に設置するにはどのカメラを選べばよいのか?どんな工事が必要になるのか?分かりづらいものとなっています。
専門業者の中には、カメラの選定から相談ができ、設置までおまかせで行ってもらえるところもありますので、そういった業者に依頼をするのが一番確実であると言えますが、使っていくのはオーナーさんご自身です。やはり、基本的なことは知っておくことが望ましいと言えます。
防犯カメラの
キホン
防犯カメラ導入で必要になる設備は、
- カメラを作動させるための「電源」
- 撮影するための「防犯カメラ本体」
- カメラで撮影した映像を屋内の録画機やモニター設備に送るための「通信ケーブル」
- 撮影したカメラ映像を記録するための「録画機」
の4項目になります。
正確に言いますと、カメラの種類や電源配給方法、通信方法によって必要設備は異なってくるのですが、ここでは最もメジャーな方式を基本形として取り上げました。
それでは、それぞれをもう少し詳しく説明していきましょう。
❶ 電源
カメラを動かすためには電気が必要になります。ですので、設置場所は「電源がとれる場所」であることが条件になります。
なのですが、あまりに極端な場所に設置するという事でなければ、この条件についてはあまり心配をしなくても大丈夫です。近くにコンセントがない場合でも問題ありません。
電源からの給電方式には種類があり、カメラ機種によって対応する方式が異なります。コンセント以外の給電タイプのカメラもラインナップされていますので、設置環境に合ったものを選びましょう。
■ PoE給電
コンセントからではなくLANケーブルによって電源を確保する方法です。
カメラからの映像信号を屋内の録画機へ送るためにLANケーブルで繋ぎますが、そのLANケーブルを使い録画機側から電気を送ることで、カメラの電源をまかないます。
メリット
- LANケーブル1本で、映像の通信とカメラの電源供給をすることができる。
- たとえ近くにコンセントがなくても、LANケーブルで繋ぐことができる場所であればカメラの設置が可能。
注意点
- 屋内の録画機と屋外のカメラをLANケーブルで接続させるために、何らかの方法で壁を通す必要がります。エアコンダクト用の穴など既存の貫通穴を活用する方法もありますが、もしも使用できる穴がないようでしたら、壁の穴あけ工事が必須になります。
■ コンセント給電
一般的な家電と同じように、コンセントからカメラ電源を給電する方法。
メリット
- カメラ設置場所の近くに防水コンセントがあれば、そこにコンセントを挿すだけで電源の確保ができる。
注意点
- もしもコンセントが近くに無い場合は電源追加のための電気工事の必要、または屋内等から電源ケーブルを延長して引く必要がある。
- コンセントが目に見える場所にある場合、そしもプラグを抜かれたらカメラの機能がストップしてしまう。
- 外壁のコンセントから給電をしたとしても、屋内の録画機へ映像信号を送るための通信手段は必要になります。LANケーブルで接続する場合は、PoE給電方式と同様に壁を通す必要があります。
■ ソーラー給電
ソーラーパネルによって発電・充電を行った内臓バッテリーからカメラへ給電します。
メリット
- 電源工事不要で電源のない場所にも設置ができる。通信方式がWi-Fiタイプであれば屋内からの配線工事も不要。
- カメラ本体を稼働させるための電気代がかからない。
- 停電時もカメラ本体は作動。
注意点
- 太陽光を使った発電・給電のため、天気や日照時間などが稼働条件になる。ソーラーパネル部分が陽の当たる場所に設置をする必要がある。
- 電源が不安定なため、常に監視が必要な防犯カメラには不向き。
- 内臓バッテリーは消耗品のため、他の給電方式のカメラと比べ寿命が早い傾向
❷ カメラ本体
カメラには外観の形だけでなく、それぞれ様々な機能の違いがあります。
ここでも主要な機能をピックアップしてご紹介します。
■ 画素数
数が多いほど鮮明な画像を撮影することができます。防犯カメラの場合ですと500万画素あたりが一般的な標準で、より細やかな撮影を求めるならば4K(800万画素あたり)を選びます。
■ 屋外設置対応(屋外防水・防滴性能付き)
屋外に設置することができます。「IP66相当」などと記された防水性能の数値も確認しましょう。また屋外対応型でも「軒下用」タイプの場合は、屋根がある場所への設置が条件となりますので、選ぶ際には注意をしましょう。
■ 屋内設置型
屋内撮影用のカメラで、室内に設置しても圧迫感のないデザインの物や卓上に置くことのできるタイプもあります。
■ 夜間暗視撮影機能(赤外線搭載)
夜間などの暗い時間帯や明かりがない場所でも、赤外線による暗視撮影ができます。
■ SDカード記録機能
カメラ本体にSDカード等のフラッシュメモリを挿入し、録画記録が可能。
■ パンチルトカメラ(旋回カメラ)
旋回可動型のカメラ。カメラの向きを遠隔操作で上下左右に旋回させることできます。自動検知・追跡機能が付いている場合は、動く対象物に検知して自動追尾撮影をします。
■ マイク付き
音声付きの映像データを記録することが可能。
■ Wi-Fi接続対応
後述の「通信ケーブル」のコンテンツでも取り上げますが、カメラで撮影したデータを無線のWi-Fiで録画機に送ることができるので、LANケーブルを使わずにワイヤレスで通信を行うことができます。Wi-Fiの電波には壁や障害物に強い2.4Ghzと高速通信に対応した5Ghzの2種類のタイプがあります。
■ カメラ本体の設置も専門的な作業が必要!
カメラを外壁に取り付ける場合は、ボルトで固定するために外壁に穴をあけて設置します。この時、しっかりとコーキングを施さないと屋内への雨漏りの原因となってしまいます。
また、外は雨風を受ける場所ですので、カメラが落下しないよう適切な強度で取り付ける必要があります。
住宅の外壁に穴を開けたくない場合は、雨樋を活用して設置する方法もあります。
いずれにしましても、高所の作業となりますし、専門的な知識と技術を要する工事となります。信頼できる専門業者に工事依頼をすることを強く推奨します。
雨樋を活用した取り付け。外壁に直接設置しない方法のひとつです。
こちらはエアコンのダクトカバーに加工を施して設置している。
❸ 通信ケーブル
カメラで撮影した映像を録画機に伝送します。ケーブルを接続する方式のほか、Wi-Fiを使用したワイヤレス型もあります。
■ LANケーブル接続(ネットワークカメラ)
防犯カメラにおいて、最も広く使われているのがLANケーブルを使ったネットワークカメラシステムです。
PoE機能を利用すれば、映像信号の送信だけでなく、電源供給やカメラコントロールもLANケーブル1本で可能となります。この点が最大のメリットとも言えますので、LANケーブルタイプの防犯カメラを選ぶ際には、PoE対応の製品をお選びになることをオススメします。
カメラのある屋外から屋内の録画機までケーブルを通す必要がありますので、もし通せる既存の穴や配管がない場合は、壁に穴を開ける配線工事を行います。エアコンのダクト穴を共用する方法もあります。
■ 同軸ケーブル接続(SDIカメラ)
HD-SDI、EX-SDI方式といったHD/フルHDに対応した高画質な映像を伝送できるSDI防犯カメラでは同軸ケーブルが使用されます。家庭向けではあまり一般的ではありませんが、店舗やレジの周り、工場など精密な監視が必要な場で多く使われています。
設置には電源の確保と配線工事が必要になります。
■ Wi-Fi接続(ワイヤレスカメラ)
データの伝送に有線ケーブルを用いず、無線のWi-Fiを使った防犯カメラシステムです。通信配線工事が不要という手軽さから、昨今増えているタイプになります。壁や天井に穴を開ける配線工事を行いたくない場合・できない場合には、たいへん有力な選択肢になります。
ただし、多くのカメラで電源の確保が必要になりますので、もし設置場所の周囲にコンセントがない場合は電気工事を行わなくてはならないケースも。LANケーブル接続の方が手軽さで勝る場合もあります。
また、電波干渉や障害物の影響などWi-Fi電波状況によっては映像が不安定になりやすいため、カメラの設置場所はルーターから近い場所とすることが基本となりますが、それでも電波が不安定で実用できないというケースもあります。
インターネットを介して映像の通信を行う仕組みとなりますので、不正アクセスやマルウェア対策のセキュリティ設定が必須です。
❹ 録画機
防犯カメラの映像を保存するためのレコーダーです。4台用、8台用などモデルによって性能が異なりますが、複数台のカメラを同時接続・録画できるのが一般的です。
基本的には内臓の記憶媒体にハードディスクが使用されております。常時録画では24時間365日稼働しますので、耐用性能の高いハードディスクが使われている製品を選んだ方が良いでしょう。ハードディスクの寿命は30,000時間程度と言われていますので、ハードディスクの交換時期は3年あたりが目安になります。
パソコンなどで使うモニターディスプレイを接続すれば、リアルタイムの監視や録画データの再生・視聴を行うことができます。モニター一体型の録画機もありますので、別途ディスプレイを用意・接続することなくモニタリング環境を整えたい方にはおススメです。
ソーラー給電とWi-Fi通信で完全ワイヤレスでの設置も可能。
簡易的なセットも低価格で販売されている。
その他に確認
しておきたい
ポイント
その家にあったものを選ぼう
家の構造や立地条件は各住宅によって様々です。設置場所も建物のつくりや設置目的によって各戸異なってきます。日差しがあたりにくい環境であれば、ソーラー給電タイプは不向きになります。電源は確保できるものの通信ケーブルを通す穴が無いのであれば、Wi-Fiタイプが有力に選択肢になってきます。
いくらレビューの評価が高い製品であっても、必ずしも全ての住宅に適しているとは限りません。
専門業者に相談をするなどをして、その家、その目的に適したモデルを選び、適切な設置工事を行うようにしましょう。
スマホからも監視・確認ができる
最近発売されている防犯カメラ製品の多くで、スマホからの遠隔操作や監視ができる機能(アプリ)がついています。
遠隔地からでもスマホでリアルタイムな監視やカメラ映像をチェックすることができます。
寝室やリラックスルームにいることが増えたご高齢の方でも、モニターのある場所まで行かなくても、スマホからカメラ映像を見ることができます。
また、高齢の家族と離れて暮らしているご家庭では、見守りカメラとしても活用されているケースも多くなっています。
商品モデルやメーカーによってスマホアプリの性能は異なりますので、やりたい事ができるか?を含めて事前に確認をしておきましょう。
防犯カメラのプロフェッショナル
カメラをどこにどう設置すれば良いのか?費用はどれくらいかかるのか?といった初歩的な質問も気軽にできる無料相談窓口が用意されており、はじめてのホームセキュリティ導入を検討している人にとっても心強いサービス内容が魅力。
見積り・現地調査も無料となっており、防犯設備士が現状を確認し、最適な設置プランを提案してくれます。
リーズナブルな価格から導入できるベーシックプランの他、機種のこだわりや対策レベルをカスタマイズできるオーダープランも用意されており、家庭・店舗・企業・教育機関など幅広い要望に合わせて対応しています。
防犯意識が問われている、
いまをきっかけに
あくまで一般的な防犯カメラの種類・性能に絞ってご紹介をいたしましたが、専門業者や各メーカーそれぞれ、様々なタイプの製品を取り扱っています。
取り付けに関しては、DIYで設置を行う方もいらっしゃいますが、高所に設置するケースが多く、また配線工事や電気工事など専門的な作業も必要になります。
「万が一の時にカメラが作動していなかった」となってしまっては、防犯カメラの意味がなくなってしまいますので、業者に工事依頼をするのが安心でしょう。
安全な終の住処づくりを考えるうえで、防犯対策も大切な課題のひとつ。 防犯カメラはセキュリティ効果だけでなく、みまもりカメラとしても活用が期待できます。
住まいの終活をきっかけに、導入を検討してみてはいかがでしょうか。